スポーツバイクの盗難対策 - 5つのよくある誤解

盗難対策に関する誤解はありませんか?

ロードバイクなどのスポーツ自転車の盗難対策に関して、「こうすれば大丈夫」という意見や「これをしても意味がない」といった極端な意見を目にすることがよくあります。

実際には盗難にはいくつかのパターンがあり、ケースバイケースであることが分かっているベテランの方でも、インターネット上の短いコメントのやりとりでは伝えることが難しく誤解されやすい話でもあります。

今回は、誤解されがちな5つの意見を取り上げて、まとめてみました。
是非、自分自身の認識とあっているか確認してみてください。

1. エントリーモデルだから狙われない?

一部の犯人はロードバイクの車種やパーツに詳しく高価なモデルだけを狙っているケースもあるでしょう。そういう意味では、多少リスクは低いといえます。
しかし、一般車に比べれば、エントリーモデルであっても高価な自転車であることに変わりはありません。
実際にスポーツバイクの盗難実態に関する調査結果では、様々な価格帯のバイクが満遍なく被害に遭っています。

2. ワイヤーロックは意味がない / 強度の高い鍵だから盗まれない?

これは極端な意見の例ですが、切断工具を持っていない犯人には、ワイヤーロックでも十分な効果がありますし、電動工具を持っている犯人には、大抵のU字ロックでも短時間で破壊されてしまいます。
犯人は切断工具を持っているケースが多いようですが、ワイヤーロックとアラーム装置などを組み合わせれば、自転車から降りて遠く離れることのないサイクリングでは十分な盗難対策となります。

3. 犯人はプロの窃盗団だから、どんな対策をしても意味がない?

プロの窃盗団が高価なバイクを大量に盗難して摘発されたといったニュースは目立つため、「ロードバイクの盗難=プロの窃盗団」というイメージを持つ人も多いのかもしれません。
しかし、スポーツバイクの窃盗犯は、大半が若年の単独犯が占めています。背後に組織があったとしても実行犯は単独であるケースが多く、基本的な盗難対策をしっかりと行うことでリスクを大幅に下げることができます。

4. ロードバイクに乗ったら、家に帰るまで降りてはいけない?

これは人それぞれの考え方次第ですが。。。
盗難リスクをゼロにする代わりに、コンビニにもカフェにも寄らずに、短時間のトレーニングだけをして帰るという考え方もあります。
一方で、盗難リスクを少なくした上で、ロングライドやグルメライド、旅ライドをするのも自転車の楽しみ方です。
ロードバイクを趣味で乗っている方が多いと思うので、いろんな楽しみがあった方が仲間も増えて、長く楽しめるのではないでしょうか。

ただし、大切な愛車を盗難が多発するショッピングモールや駅の駐輪場などに長時間置きっぱなしにするのは、避けていただきたいです。

5. GPSやAirTagがあれば追跡できるから安心?

鍵 + アラームなどの盗難対策をとった上であれば、追跡ができることは更なる安心材料となりますが、盗難自体を防ぐ効果は無いため、鍵が不要と思わないようにしましょう。

追跡デバイスは大きく分けてGPSを用いたものと、AirTagなどの紛失防止タグの2パターンがあります。GPSは衛星からの電波で位置情報を特定しますが、紛失防止タグは単独では位置情報を特定したり、通信することができません。
付近にBluetoothの電波を中継してくれる機器が必要となるため、盗難車が人目に付かない場所に放置されてしまった場合は、追跡が困難になります。

現時点では「鍵 + アラーム + GPS追跡」がベストな盗難対策といえるのではないでしょうか。