AlterLockアンバサダー 三船雅彦さん インタビュー

mifune masahiko

プロフィール

  • 株式会社マッサエンタープライズ 代表取締役社長
  • 生年月日:1969年1月8日
  • 身長:178cm
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中学時代にツール・ド・フランスを見て憧れ高校で自転車競技を本格的に始める。インターハイや近畿大会で入賞した。高校卒業後オランダに単身自転車留学。1989 年に帰国。国内実業団チームで活動。ヨーロッパでプロロードレーサーになる夢を諦めきれず、1992年に再びオランダへ渡る。多くのレースで入賞し、1994 年からプロ登録。以後、ツール・ド・フランドルなどの主要レースに出場し、2002年までヨーロッパで9 シーズン活動。帰国後国内外でのレースに参加しつつ、2003 年から
Jsports で解説を務める。現在は若手育成のためのチームを立ち上げ、オーナーとして運営を行っている。

インタビュー

三船さんはレーサーであり、世界でも活躍する日本有数のランドヌールです。年に20近いブルべを走る猛者としても有名です。三船さんが歩んできた道のり、自転車の国ベルギーでの競技環境や生活面、国内外における防犯意識、そしてAlterLockとの出会いや使用感について語っていただきました。

サイクリングと日常生活

三船さん:僕ね、年間3万キロ以上走ってるんですよね。月に直すとだいたい2,500キロ。これって言うと驚かれることも多いんですけど、僕にとっては普通というか、日常の一部なんですよね。もちろん、仕事もフルタイムでやってて、基本的には9時半から5時半まで事務所で働いています。ただ、最近は8時とか9時まで仕事が延びることもあって、家に帰ってからまた乗れるかどうかっていう感じなんですよ。でも、時間がある時にはとにかく自転車に乗りたい。

それだけ乗られていると、やっぱり練習というよりも、ライフスタイルそのものなんですね

三船さん:そう、そうなんですよ。なんか、『練習』って言うと構えちゃうじゃないですか?僕の場合、競技選手としての気持ちよりも、単純に自転車に乗ること自体が好きなんですよね。毎回同じコースを走るのももちろん楽しいんだけど、どちらかというと、知らない道を走りたいというのが強い。性格的なものもあるかもしれないけど、可能であれば、この世のすべての道を走ってから死にたいと思ってるくらいで

どうやって走る道を決めてるんですか?

三船さん:最近だとSTRAVAのパーソナルヒートマップをよく使います。走ったことがある道が可視化されるじゃないですか?それを見て、まだ走っていない道を埋めていくんです。例えば京都だと、碁盤の目みたいな街路を全部走るっていうのをやったことがあるんです。碁盤の目の中にも、これ未走行だなっていう細い道があったら、そこも走るんですよ。一年半くらいかけて全部制覇したんですけど、それが終わったら『じゃあ次は奈良まで走ろう』ってなるんです。やっぱり、京都だけ走って奈良は知らないままっていうのも失礼かなって。

酷道が大好物、だそうです

地域ごとの個性が出そうですね。日本全国、まだまだ走りたい場所がたくさんありそうです。

三船さん:そうなんですよ!たとえば北海道とかも本当に広くて走りがいがありますね。あと、沖縄もいいんですよ。自転車で走ると、普段は見過ごしちゃうような小さな島もじっくり回れるし、独特の雰囲気が味わえる。中には現地の人に『この道走るなんて珍しいね』って驚かれることもあるんです。そういうのがたまらなく楽しいんですよね。

三船さんの自転車ライフはただの趣味を確かにそうかもしれませんね。何より、道を走ることで得られる経験や出会いが貴重なんです。あと、日本の道って地方によってすごく特徴があって面白いんですよ。たとえば京都の街中を走っていると、昔の生活のようなものを感じることもあるし、昔の城下町だと何か当時のロマンのようなものを感じたり。小道を抜けると、その土地独特の文化とか歴史が見えてくるんです。だから、どんなに忙しくても、自転車に乗る時間だけは確保したいと思ってますね。本当に『生き方』っていう感じがします。

氏曰く、野生動物と遭遇する事も多々あるという

防犯とAlterLockの利用

ロードバイクに乗っている方からよく聞くのが、『コンビニに寄るときも盗難が怖くて目を離せない』という声です。そうした不安を少しでも解消したいと思って、AlterLockを開発したんです。防犯の意識が高いサイクリストの皆さんに、使ってもらえると嬉しいですね。

三船さん:その気持ち、めっちゃわかりますよ。僕も昔はコンビニに寄るのがすごく不安でしたから。ちょっと買い物するだけなのに、外に置いてる自転車のことが気になって、急いで戻らないといけないって感じで。AlterLockを初めて知ったとき、『これだ!』って思いました。アラーム機能があるだけでもだいぶ違いますよね

ありがとうございます。やっぱり抑止力って大事ですよね。日本は治安が良いと言われることが多いですが、それでも自転車の盗難件数は結構多いんです。万引きよりも多いくらいなんですよ。

へえ、万引きより多いっていうのは驚きですね。でも確かに、自転車って簡単に盗めちゃいますもんね。特にロードバイクって軽くて、パッと持っていけるから狙われやすいんですよね。AlterLockみたいなデバイスが付いてると、それだけで盗もうって気持ちをくじけると思いますよ。

アラーム音で目立つだけでも、手を出す人を防げることが多いですし、さらに追跡機能もあるので、万が一盗まれた場合にも位置を確認できるのがポイントです。

三船さん:その追跡機能、すごいですよね。昔だったら、『盗られたら終わり』っていう感じだったけど、今は追跡して取り返せる可能性があるんだから。やっぱり技術の進歩ってすごいなあと思いますね。そういえば、アラームの音量も変えられるんですよね?

はい、アラームの音量や感度を調整できるので、使用環境に合わせて設定を変えることができます。例えば、コンビニの短時間の利用なら高感度にしておいて、長時間停めるときは少し低めにする、といった使い分けもできます。

三船さん:なるほど、それは便利ですね。僕みたいに地方の細い道を走ることが多い人間にとっては、盗難リスクが低い場所もあるけど、それでも油断はできない。感度を調整できるっていうのは助かりますよ。あと、音が大きいってだけで、周囲に『何かおかしい』って気づいてもらえるのもいいですよね。

イベント会場なんかでも役立つと思いますよ。ヒルクライムとかって、人が多いし高価なバイクが集まるから、狙われやすいんですよ。AlterLockがあればそういう場所でもだいぶ安心できるんじゃないかなって思いますね。

三船さん:確かに、イベントでの盗難被害も問題になっていますね。特に、受付や準備でバイクから離れる時間が長くなると、余計に不安が募りますよね。

そうなんです。だからAlterLockが普及して、少しでも盗難が減ればいいなと思いますよ。やっぱり、自転車が盗まれると、そのショックでやめちゃう人もいるじゃないですか。そういうのを無くしていけたら、自転車をもっと楽しむ人が増えるんじゃないかなって。

海外での盗難リスクと対策

三船さんは海外のイベントにもたくさん参加されていますよね。日本とは盗難リスクが全然違うと思いますが、どのように対策されていますか?

三船さん:いや、海外だと本当に気をつけなきゃいけないですよ。特にイタリアとかフランスでは、自転車を外に置くなんてあり得ないですからね。例えば、レストランに入るときは、店の中に自転車を持ち込ませてもらうことが多いです。場所によってはそれでもダメって言われることもあるんですけど、できるだけ自転車を視界から離さないようにしています。

店内に持ち込むというのは、日本ではあまり馴染みがないですね。それだけ盗難のリスクが高いということなんでしょうか?

三船さん:イタリアなんかだと本当に気を抜いたら一瞬で持って行かれるイメージがありますよ。特に、食事している間に自転車がなくなるとか、普通にある話です。AlterLockみたいなデバイスがあれば、音で気づかせられるし、万が一盗られても追跡できるじゃないですか。それは心強いですよね。

そういう状況では、追跡機能が活躍しますね。実際に海外でAlterLockを使われたことはありますか?

三船さん:ありますよ。(使えないと言われていた)イタリアのイベントに参加したときも使ってたんですけど、驚いたのが履歴がしっかり残ってたことですね。アラームが使えない状況もありましたけど、位置情報が記録されてたので、『あ、自分の自転車ここに置いてるな』って後から確認できて安心しました。普段はそういう機能があるなんて考えもしないけど、いざというときにはめちゃくちゃ助かると思います。

海外では通信環境がネックになることもありますが、それでも履歴が確認できるだけで安心感は違いますね。

三船さん:ほんとにそう。今って、国によっては公共のWi-Fiとかも充実してるし、AlterLockのようなデバイスを使う環境も整いつつあると思います。あと、友達と一緒に走るときに、『ちょっとここに自転車置いておくから見ておいて』って頼むこともあるんですけど、AlterLockがついてるとそれだけで少し安心感が増しますね。

イタリアやフランス以外にも、気をつけている国はありますか?

三船さん:イギリスとかも要注意ですね。ロンドンなんかは本当に盗難が多いですし、何ならイベントの会場内でも狙われることがあるくらいです。知り合いが、パリ〜ブレスト〜パリに出る前日、自転車を盗られて出場できなかったことがあって、あれはショックでしたね。スーパーに買い物に行くだけでも、中に入れるかどうかが鍵になってきます。幸い、ベルギーなんかでは自転車への理解が深いから、店内に置かせてくれるところが多いんですけどね。

国ごとの文化や意識の違いが大きいですね。その中でAlterLockがどう役立てるか、さらに検討していきたいと思います。

三船さん:たとえば、アラームが鳴るだけでもその場で気づけることがありますし、追跡機能があれば万が一のときにも役立つ。海外では特に、こういう防犯デバイスがもっと普及してほしいと思いますね。サイクリスト同士で情報を共有しながら、安全に楽しめる環境を作りたいですね。

デバイス利用の実感と改良の提案

三船さんも実際に使ってみて、どんなシチュエーションで役立つと感じましたか?

三船さん:やっぱり一番は、コンビニとかで休憩するときですね。以前は、ちょっと飲み物を買うにしても、自転車を置いていくのが不安で仕方なかったんです。でもAlterLockをつけていると、アラーム機能があるし、追跡もできるって思うと、安心感がまるで違うんですよ。少しの間でも、安心して自転車から離れられるのは大きいですね。

ありがとうございます。特に短時間の離席でも、安心感があると違いますよね。他に気づいた点や、ここが改善されたらもっと便利だなと思うところはありますか?

三船さん:そうですね……感度の設定は便利だと思うんですけど、僕はロックした状態でついうっかり触ってしまいアラームが鳴ってしまうことがありました。風で倒れたときとか、誰かがうっかり触っただけでも鳴っちゃうのは、周りに迷惑をかけちゃうんじゃないかって心配になりますね。

その点は感度設定を三段階に分けて調整できるようにしています。使用環境に合わせて、例えば外の風が強い場所では感度を下げるなど、カスタマイズしてもらえる仕様です。

三船さん:感度とか音の設定がカスタマイズできる時点で、かなり便利だと思います。実際、つけてみると『なんだ、意外と軽いじゃん』って思いましたしね。ロードバイクにあまり影響しないサイズ感もいいですよね。

ありがとうございます。今のモデルは50グラム台なので、重量を気にされる方にも安心して使っていただけるようにしています。

日本の自転車文化と業界の課題

ここ数年、自転車業界では新規参入者が減少しているという話をよく耳にします。特に、ロードバイクに初めて乗る人が少なくなっているのは業界全体の課題だと感じています。三船さんはどうお考えですか?

三船さん:そうですね、自転車が生活必需品じゃないっていうのが一番の理由だと思います。たとえば、ママチャリは生活に根付いていますけど、ロードバイクは趣味の範囲なので、爆発的にユーザーが増えるのは難しいんじゃないかな。ただ、既存のユーザーをどうやって繋ぎ止めるか、楽しく乗り続けてもらうかっていうのが大事ですよね。

既存のユーザーをケアすることが優先ということですね。新規参入を増やすためには、何かきっかけや工夫が必要だと思うのですが、三船さんはどんな取り組みが効果的だとお考えですか?

三船さん:うーん、やっぱり初心者でも入りやすい環境作りかな。たとえば、通勤や通学にロードバイクを使うのをもっと一般的にすることとか。現地の人が20人くらいの集団で時速40キロで通勤している姿を見たんですけど、あれは圧巻でしたよね。ああいう文化が日本にもあったら、自然とロードバイクに触れる機会が増えるんじゃないかなと思います。

通勤や通学での利用が普及すれば、ロードバイクがもっと身近な存在になるかもしれませんね。日本の場合、何か特有の課題があると思いますか?

三船さん:日本だと、やっぱり道路環境が課題だと思いますね。都市部だと信号が多いし、車との距離感も近い。でも少し郊外に出れば、信号がほとんどなくて快適に走れる道がたくさんあるんですよ。ただ、それを知らない人が多い。サイクリングの楽しさをもっと広めるためには、道路環境を整えるだけじゃなくて、情報発信も重要だと思います。

確かに、地方に行くと素晴らしい道がたくさんありますよね。でも、そうした情報があまり共有されていない気がします。

三船さん:そうそう。例えばイベントなんかを通じて、サイクリングに適した道を紹介するとか、コミュニティを作ってみんなで情報交換するとか。そうやって『自転車でこんなに楽しいことができるんだ』っていうのを共有できたら、新しく始める人も増えるんじゃないかな。

そうした取り組みが、日本の自転車文化をもっと豊かにする一歩かもしれませんね。

三船さん:あと、自転車が盗まれることが原因でやめちゃう人がいるっていうのは、本当にもったいないですよね。ロードバイクって高いものが多いから、一度盗られると二度と手を出せなくなるって話もよく聞きます。だからAlterLockみたいな防犯デバイスが普及することも、ユーザーを繋ぎ止める重要な手段だと思いますよ。

ありがとうございます。そうしたお話を聞くと、盗難対策をしっかりすることが、結果的に自転車文化の発展に繋がると感じますね。

三船さん:本当にそうですね。盗難の心配を減らして、自転車の楽しさをもっと広めていければ、既存のユーザーも新しいユーザーも増えていくんじゃないかな。あとは、業界全体でそういう動きを支える仕組み作りができるといいですよね。