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スポーツ自転車の盗難を防ぐために!現状と対策を紹介

日常の足代わりとしてのクロスバイクやミニベロ、そして数百kmものロングライドもこなせるロードバイクなどのスポーツ自転車。しかし、高価で車体が軽いため、通常の自転車よりも盗難の対象になりやすいものです。盗難をしっかりと防止するためには、しっかりと危機感を持ったうえで、鍵のかけ方にも注意を払うなど、適切な対策を講じることが大切でしょう。今回は、ロードバイクの盗難の現状と対策をメインに注意すべきポイントを紹介します。

自転車の盗難件数は非常に多い!

2017年 全国の刑法犯罪認知件数トップ5

最初に危機感をあおるような事実を紹介すると、実はあらゆる犯罪のなかでも窃盗の認知件数は最も多く、なかでも自転車の盗難は例年トップレベルの件数をほこります。警察庁による2017年の統計資料によると、日本全国における刑法犯、いわゆる刑法に違反した犯罪の件数は約91万件でした。そのうち自転車の盗難は約20万件、件数にしてダントツの1位です。2位は万引きで約10万件、3位には器物損壊などで約9万件と続きます。東京都内だけに限った場合でも、2017年に起きた自転車の盗難件数は4万273件。しかも、そのうちの42.8%は施錠した状態で盗難に遭っているのです。なお、盗難が発生した場所は住宅の敷地内が42.8%と最も高く、次いで道路上が27.2%、駐車場や駐輪場が24%でした。一方、同じ年における全国の自転車盗難の検挙件数は6.4%です。また、検挙された人員の年齢構成に注目すると、19歳以下が全体の39%、24歳以下で見た場合は58%でした。

2017年 東京都 施錠状態による被害割合、盗難発生場所

2017年 東京都 年代別の検挙人員割合

警視庁の統計(平成29年)平成29年の刑法犯に関する統計資料より

この統計資料から、いくつかの事実が読み取れます。まず、自転車盗難はあらゆる犯罪のなかでも圧倒的に多いということです。また、施錠していても盗難される可能性は非常に高く、住宅の敷地内のように安全と思われる場所でも油断はできません。一方、検挙件数からわかる事実として、盗まれた自転車が戻ってくる確率は10%にも満たず、非常に低いといえます。そして、若年層による犯行が半分以上を占めることから、学生が気軽な気持ちで犯行に及んでいる可能性があるといえるでしょう。

単純に計算しただけでも、日本のどこかで1日あたり約550台近くの自転車が盗難に遭っていることになります。もちろん、この統計資料は自転車一般に対するものであるため、そのままロードバイクなどのスポーツ自転車の盗難状況として扱うのは無理があるでしょう。しかし、まったく無視することもできない数字だといえるのではないでしょうか。なによりも、いつ自分の愛車がこの膨大な盗難件数に含まれるかもしれないと、危機感を持っておくことが非常に大切です。

自転車盗難の現状は?

  • 自転車の盗難は、あらゆる犯罪の中でダントツの1位
  • 4割は施錠した状態でも盗難されている
  • 住宅の敷地内での盗難が最も多い
  • 検挙率は非常に低く1ケタである
  • 若年層による盗難が圧倒的に多い

ロードバイクは常に盗難の心配がつきまとうもの

自転車の盗難件数が非常に多い状況においては、軽くて高価なロードバイクもまた、窃盗の対象になりやすいといえます。一般的なロードバイクの価格はエントリーモデルでも約10万円、高級なものであれば100万円以上するケースもあります。それだけに、オーナーは盗難に対する不安を常に抱えているといえるでしょう。実際、5万円以上のスポーツ自転車を所有し、月に数回以上の頻度で乗るオーナー1200人を対象に行ったアンケート調査(2017年12月に実施)では、こうした不安が如実に表れる結果となりました。

アンケート調査において自転車の盗難に対する不安理由を聞いてみたところ、「盗難届を出してもなかなか発見されない」という理由を挙げた人は、回答者全体の91%でした。また、「安心できる駐車場がない」という理由を挙げた人は90%、さらには「施錠しても盗難対策にならないという点から不安に思っている人」も90%に上ります。理由はさまざまであるものの、盗難の不安を持たずにロードバイクに乗っている人はほとんどいないといえるのが実情です。

盗難に対する不安理由① 盗難届を出してもなかなか発見されない 非常に不安59% やや不安32% 盗難に対する不安理由② 安心できる駐輪場がない 非常に不安55% やや不安35% 盗難に対する不安理由③ 施錠しても盗難対策にならない 非常に不安50% やや不安40% 盗難に対する不安理由④ 安心できる盗難防止ツールがない 非常に不安45% やや不安42%

駐輪方法に注意!どんな状況が狙われやすいのか

ロードバイクの盗難に遭ったときの状況はさまざまです。なかには、「コンビニに入るため駐輪していた数分間のうちに盗まれた」というケースもあります。その意味では、いかなる状況でも安心はできないといえるでしょう。しかし、一方で狙われやすい状況というのも確かに存在します。

まず、自宅でもスポーツ自転車の保管は室内が基本となります。これを知らずに軒下やマンションの駐輪場で盗難されてしまうケースが多発しています。また、日常の足代わりに使用している場合、いつも同じ場所へ駐輪しているというのは盗難のリスクが高まります。なぜなら、ロードバイクを盗もうと物色している犯人に対して、そこに獲物があることを常に知らせているようなものだからです。また、地球ロックしていないロードバイクも盗難されやすいといえます。地球ロックとは、鍵を掛ける際に、柱などに巻き付けて自転車を固定し、簡単に外せないようにすることです。ロードバイクは軽いので、犯人は地球ロックしていないものを見つけると、とりあえず持ち運んでしまう可能性が高まります。なぜなら、人目の付かないところへ運んでしまいさえすれば、鍵はあとでゆっくりと破壊できるからです。

なお、盗まれやすい状況とは少し異なるものの、ホイールは見落としがちなポイントといえます。ロードバイクを構成するパーツのなかでも、ホイールの価格は比較的高いものです。ミドルグレード以上の場合、アルミホイールであれば5万~20万円、カーボンホイールになると30万円以上するようなものもあります。一方、ホイールは工具なしで簡単に外せてしまうだけではなく、重さも前後セットで2~3kg程度と、盗まれやすいパーツのひとつです。盗難を防止しようとフレームだけを地球ロックした結果、ホイールが盗まれたというケースもあとを絶ちません。

駐輪方法の注意点は?

  • 自宅では室内保管が基本
  • 外出先でいつも同じ場所に駐輪すると狙われる
  • 地球ロックをしよう
  • ホイールなどのパーツの盗難にも注意


盗まれたロードバイクはどうなってしまうのか

スポーツ自転車はカスタマイズのしやすさが魅力です。一般的な工具さえあれば素人でもある程度簡単に組立し、またパーツごとに分解することができます。その魅力がデメリットになり、盗難後は足が付かないように分解されて、ネットオークションなどで転売されてしまうことも少なくありません。高級なパーツになると単体で数万~数十万円もするので、犯人にとっては非常にうまみがあるのです。

パーツごとに分解されたロードバイクを発見するのは、至難の業です。もちろん、自転車は盗難された場合に備えて防犯登録を行う必要があるので、登録番号を照合して発見することはできるでしょう。しかし、防犯登録したことを示す登録シールは、通常は自転車のフレームのみに貼り付けるものです。そのため、パーツごとに分解されてしまうと、それぞれのパーツが自分のものであったと証明することが非常に難しくなってしまいます。分解されたパーツは、シリアルナンバーのように自分のものであることが証明できない限り、発見することも取り戻すことも難しいというのが現状です。

また、上記のような計画的な転売とは異なり、意外によくあるパターンとしては、盗難後、犯人が乗り回して、必要がなくなった時点で放置していくということもあります。

盗まれた後は?

  • 盗難された自転車は、分解されてネットオークションなどで転売
  • パーツごとに分解されると、取り戻すことが困難になる
  • 盗難後に乗り回して放置されるというケースもある

ロードバイクの盗難対策はしっかりと行おう!

残念ながら、完璧な盗難対策というのは存在しません。特に、盗難対策として鍵だけを過信するのは禁物です。ロードバイクのように高級な自転車を狙った犯行の場合、犯人はボルトカッターやサンダー、油圧カッターのような工具を準備している可能性もあるでしょう。こうした工具の前には、ワイヤーロックはもちろん、U字ロックであっても切断されてしまいます。先に紹介したアンケート調査によれば、スポーツ自転車の施錠にワイヤーロックを使用している人は77%と最も多く、次いでU字ロックを使用している人が28.3%でした。

スポーツ自転車はその特性上、できるだけ荷物を減らし、重量を軽くすることが求められます。そのため、ワイヤーロックのように軽い鍵を使用する人が多いのはやむを得ないといえるでしょう。しかし、だからといって鍵の強度をないがしろにするのはいけません。なぜなら、頑丈な鍵を使用すれば、相当の工具を持たない犯人を遠ざけるだけではなく、鍵の破壊に時間をかけさせることもできるからです。

地球ロックによる施錠を行うのはもちろんのこと、駐輪場所や駐輪時間にも気を配るようにしましょう。なるべく目の届く範囲に駐輪するとともに、車体から離れる時間を最小限にとどめることで、盗難に遭うリスクを下げることができます。

最近では、アラームによる警報装置やGPSで追跡できる仕組みを持った盗難対策も登場しています。これらを併用することで、目の届かない場所での警戒と盗難に対する抑止力が期待できます。先のアンケートでは、振動検知やアラーム機能が付いた装置や鍵を使用している人は11.7%となっており、少しずつその利用が広がってきています。

また、盗難対策は鍵だけではなく保管場所にも注意が必要です。住宅の敷地内でも盗難に遭う可能性が高いことを考えると、保管場所は自宅の軒下やマンションの駐輪場ではなく、室内にすべきでしょう。

盗難対策のポイント!

  • 鍵を過信するのは禁物、どんな鍵でも工具を用いれば切断されてしまう
  • 少しでも頑丈な鍵で犯人を遠ざけよう
  • 目の届く範囲に駐輪し、車体から離れる時間は最小限に
  • アラーム装置やGPS追跡が可能な盗難対策を活用しよう

より具体的な盗難対策については以下の記事も参考にしてください。


盗難された場合の備えとして行っておくべきこと

どれだけ注意していたとしても、愛車が盗まれてしまう可能性はゼロではありません。万が一の盗難に備えて、防犯登録は必ず行いましょう。防犯登録はショップで購入したときにあわせて行うものです。また、オークションなどによって別の所有者から所有権が移る場合にも、登録した情報の変更を行うことができます。しかし、先に挙げたように防犯登録のシールはフレームのみに貼付するのが一般的です。そのため、パーツごとに分解されると特定が非常に困難になります。

このような状況でも対応できるように、フレームのメーカーや型番、車体番号だけでなく、可能な限りパーツの詳細についても、写真とメモを残しておくことが大切です。できるだけ詳細に記録しておけば、盗難車が発見されたときに照合しやすくなります。また、盗難対策とは異なりますが、盗難保険への加入を検討するのもよいでしょう。万が一、再購入することになった場合でも、金銭的な負担を軽減できます。

ロードバイクが盗難されたときのショックは、思いのほか大きいものです。特に、愛着を持って長年乗ってきた車体であればなおさらでしょう。しかし、万が一、盗難の被害に遭ってしまったときは、まずはその気持ちをぐっとこらえ、すぐに警察へ届出をする必要があります。初動の速さは、ほんの少しでも車体を発見できる可能性を上げるための第一歩です。届け出の際には、用意しておいた写真やメモを駆使して、できるだけ車体の詳細を伝えるようにしましょう。

盗難時への備え

  • 防犯登録は必ず行おう
  • フレームのメーカや型番、車体番号だけでなく、パーツの詳細についても写真とメモを残しておこう
  • 盗難保険を検討しよう
  • 盗難の被害に遭ってしまったときは、迅速に警察へ届け出を

スポーツ自転車に乗るなら盗難対策を怠らないようにしよう

盗難を防止するための第一歩は、危機感を持ち、注意を怠らないようにすることです。数分くらいなら大丈夫という気持ちは、自ら盗難のリスクを高めているといえます。特に一人でライドするときは、どんな場合でも必ず施錠やアラーム装置などを併用して盗難対策を行うようにしましょう。自宅であっても犯人の目に触れにくく、かつ手の届きにくい場所にロードバイクを保管するだけで盗難のリスクを減らせます。あらゆる角度から対策を二重三重に行うようにしましょう。

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