
(※本記事は、2025年6月時点の公開情報に基づき作成しています。保険料・仕様は変更される可能性があります。)
ロードバイクなどのスポーツ自転車やE-Bikeの価格は高騰し、エントリークラスでも30万円台、50万円台でもミドルクラス、ハイエンドは100万円、150万円オーバーというのも珍しくありません。高価な愛車を守る手段として大きく ①盗難保険(車両保険) と ②防犯対策(物理ロック+スマートデバイス) があります。この記事では「保険で補償する」「盗ませないで守る」という2つのアプローチを深掘りしていきます。
自転車盗難保険とは?
自転車盗難保険(いわゆる車両保険)は、自転車が盗難や事故によって損傷・喪失した際に、その損害を金銭的に補償することを目的とした保険です。補償の対象や内容は保険会社やプランによって異なりますが、主に以下のようなケースに対応しています。
例えば、盗難補償では、駐輪中に自転車が盗まれた場合に購入価格の一定割合まで補償されます。また、事故による破損や転倒などの損害についても、修理費用や再取得にかかる費用がカバーされる車体損害補償が用意されていることが一般的です。
主な補償内容やオプション
補償の種類 | 内容 |
---|---|
盗難補償 | 購入金額の一定割合まで補償 |
車体損害補償 | 事故・転倒による修理費または再取得費用 |
パーツ補償 | 車体損傷時の交換パーツ費用が含まれる場合あり |
ロードサービス | 応急修理・搬送などのサポート |
加入条件と注意点
自転車盗難保険を検討する際には、補償内容だけでなく「どのような条件で加入できるのか」「補償対象から外れてしまうリスクがないか」といった加入時の要件や制限についても十分に理解しておく必要があります。
特に、保険によっては新車購入からの期間制限があるほか、対象となる車両の価格帯や中古車の扱い、補償対象となる部品の範囲などが細かく定められています。これらの条件を見落とすと、いざというときに保険が使えなかったという事態にもなりかねません。
中古でもカバーされる保険が増えてきましたが、フリマサイトや個人間取引は対象外となるケースが多いため注意が必要です。
また、パーツのみ単体で盗難された場合は、多くのケースで補償対象外となります。
項目 | SBI 「スポーツサイクル保険」 | au損保 「すぽくる」 | ZuttoRide 「ずっと自転車盗難車両保険」 |
---|---|---|---|
加入可能期間 | 購入時期問わず(中古可) | 購入時期問わず(中古可) | 購入から90日以内 |
対象車体価格 | 10万円以上 | 10万円以上 | 1万円以上 |
単体パーツ補償 | 対象外 | 対象外 | 対象外 |
保険請求時の必要条件と書類
- 自己負担額(免責金):SBIは免責金なし。他社ではプランにより免責額が発生することがあります。
- 必要書類:事故証明書(事故時)、被害届の受理証明(盗難時)、自転車購入証明書(レシートなど)が必要です。
- 施錠条件の確認:鍵をかけ忘れた場合、多くの保険で「故意または重大な過失」と見なされ補償外となる可能性があります。
- レース・競技利用:損傷が競技中に発生した場合、多くの保険では対象外です。日常使用に限られる場合がほとんどです。
車体価格別:年額保険料の目安
車体の価格が上がるほど、保険料も大幅に上昇します。
特に50万円以上のロードバイクになると、年額の保険料は2万円を超えることもあります。
保険会社による金額の差はほとんどありませんが、ZuttoRideでは盗難、全損、分損を細かく選べるプランが用意されており、自損事故も補償対象に含まれるなど、補償範囲の柔軟性と網羅性が高くなっています。
※以下の価格は一例です。補償条件やオプションの選択によって変動します。
車体価格(税込) | SBI | au損保 | ZuttoRide |
---|---|---|---|
10万円 | 4,920円 | 4,920円 | 5,067円 |
20万円 | 9,840円 | 9,840円 | 10,065円 |
30万円 | 14,760円 | 14,760円 | 15,062円 |
50万円 | 24,600円 | 24,600円 | 25,056円 |
100万円 | 49,200円 | 49,200円 | 50,043円 |
車両価格が高額になると保険料も比例して跳ね上がるため、補償と費用のバランスを鑑みて検討する必要があります。
保険だけではカバーできない「防犯力」も重要
保険は「盗まれたあとに金銭的な補償」がありますが、盗まれないことを保証するわけではありません。盗難被害を本当に避けたいなら、防犯手段の導入が必要です。
物理ロック、室内保管は基本中の基本
- 地球ロック:動かせない構造物と自転車を一緒に鍵をかける
- 鍵の選択:工具で切断されにくい頑丈な鍵を選ぶ、もしくは軽量なワイヤーロックの場合は車両から遠くに離れない
- 室内保管:ロードバイクが室内保管が基本(自宅駐輪場での盗難は非常に多い)
スマート防犯デバイスAlterLockとは?
AlterLock(オルターロック)は、「盗ませない」「見張り続ける」ことに重きを置いたアラーム機能とGPS追跡が特徴のスマート防犯デバイスです。
ロードバイクやオートバイのユーザーを中心に支持されています。

主な機能とスペック
項目 | 内容 |
---|---|
アラーム | 本体が動きを検知すると最大95dBで警告音を発します |
スマホ通知 | 不審な動作を感知するとスマートフォンに通知 |
GPS追跡 | GPS、Wi-Fi、4G(LTE-M)通信で高精度な位置情報を取得 |
バッテリー | 最大3ヶ月稼働(USB Type-C充電) |
取り付け | ボトルケージ台座に取付け(重量50g) |
防水防塵 | IP66 |
利用料金 | 本体:13,800円、サービス利用料:月額396円 |
導入手順
- AlterLockをバイクのボトルケージ台座に固定(盗難防止ボルトが付属)
- 専用スマホアプリにデバイスを登録
- 駐輪時はアプリやデバイスのボタンで「ロック」モードに設定
- 不審な動きがあるとアラーム&通知
- 万が一の盗難時にはアプリから追跡可能
防犯主軸という現実的な選択肢
車体価格が30万円以上になると年間保険料は約15,000円となり、車両価格に比例して高額になっていきます。加えて、加入条件や補償条件なども考慮に入れたうえで、「盗まれないこと」に力を入れる選択も合理的です。
「盗まれたらおしまい」というフレームやホイールの場合、再調達できない精神的ショックや販売が終了しているパーツの問題もあり、単なる金銭補償では安心できない現実があります。
特に次のようなケースでは、AlterLockを中心とした防犯対策が有効です。
- 高額車両(50〜100万円以上)で、保険料が非常に高額な場合
- 限定車やカスタムバイク、思い入れのある愛車など
- 譲ってもらったバイクや店舗での購入証明の無いバイク
- イベントやレースなどに参加する場合
まとめ:自転車を守る「現実的な選択」を
自転車盗難への対策は、鍵だけでも、保険だけでも不十分です。
「盗まれたら補償される」よりも「盗まれないように守る」ことの重要性も意識する必要があります。
AlterLockのようなスマートデバイスと、状況に合わせた物理ロックを組み合わせること。自宅では室内保管し、盗難リスクの高い場所に放置しないことなどを徹底し、盗難のリスクを最大限に抑えることが重要です。
保険と防犯、それぞれの役割を理解し、大切な愛車の価値・使い方・保管環境に応じた、最適な備えを見直してみてください。