わな猟の見回りを効率化するAlterLockの新しい使い方

くくり罠や箱罠を使ったわな猟では、捕獲の有無にかかわらず罠を定期的に見回ることが欠かせません。捕獲物への対応が遅れると鳥獣に余計な負担がかかるだけでなく、大型獣がかかっていた場合には装備や人手の準備が追いつかず、対応に戸惑う場面も出てきます。自転車・オートバイ向けの盗難対策デバイスとして開発されたAlterLock Gen3は、振動を検知してアラームを鳴らし、GPSで位置を通知する仕組みを備えています。この仕組みを罠の作動検知に応用できないか、西日本の山陰地方で実証実験を行いました。

わな猟の見回りと現場の課題

見回りそのものを省略できるわけではないという前提のうえで、罠の状態を知らないまま現地へ向かう場合には対応が後手に回りやすいという課題があります。獲物がかかっていると分かっている場合と、単に日課の巡回をしているという場合とでは、必要な装備や同行する人数、心構えが大きく変わってきます。何もかかっていないと分かっていれば身軽に向かえますし、獣がかかっていると分かっていれば応援を呼んだり装備を整えたりしてから現地に向かえます。見回りのたびに手探りで対応するのではなく、状況を把握したうえで準備して臨めることが、わな猟師にとっての効率化につながります。

AlterLock Gen3を罠の作動検知に応用する

AlterLock Gen3は、自転車やオートバイの盗難対策として開発されたIoTデバイスです。3軸加速度センサーによる振動検知と、GNSS(GPS・Galileo)による位置測位、LTE-M・NB-IoTによる長距離通信を組み合わせ、持ち主から離れた場所でも異常を検知して通知する仕組みを持っています(出典: AlterLock How Gen3 WorksAlterLock Gen3 製品ページ)。防水防塵性能はIP66で、屋外での長期使用も想定した仕様です(出典: AlterLock Gen3 製品ページ)。この「動きを検知して離れた場所に通知する」という基本機能は、盗難だけでなく、罠が作動した瞬間を捉える用途にも応用できるのではないかという発想から、罠への取り付けを想定した実証実験につながりました。

山陰地方での実証実験

マグネットシートを使った取り付け

実証にあたって最初の課題となったのが、くくり罠へのAlterLock Gen3の取り付け方法でした。平面を持つ箱罠と違い、くくり罠には決まった固定方法がありませんでしたが、ホームセンターで入手できるマグネットシートと鉄の板を活用することで、箱罠と同様の要領で固定する方法にたどり着きました。特別な加工をすることなく、くくり罠への取り付けが実用段階まで進んだことは、今回の実証の大きな成果のひとつです。

実証でわかった手応えと課題

山陰地方の猟師や自治体の鳥獣対策担当者への聞き取りでは、屋外・長期間の設置における防水性や、バッテリーの持続時間について問題は見られませんでした。バッテリーは1回の充電で最大3か月駆動する仕様です。罠の設置場所自体、捕獲した鳥獣を運び出せる比較的通行しやすい場所が選ばれる傾向にあるため、通信環境については現時点の運用で大きな支障にはなっていないとのことでした。

現場の声

実証に協力した猟師のAさんは、取り付け位置を工夫すればくくり罠でも実用的に使えると評価し、他の猟師にも勧められるという感触を語りました。もう一人の猟師Bさんからは、価格帯は現場の感覚として妥当だが、導入前にお試し期間があるとより安心して使い始められるという声が寄せられました。自治体の鳥獣対策担当者であるCさんは、免許取得から日が浅い新人ハンターにとって、罠の状態を事前に把握できる仕組みは特に心強いはずだと評価しました。ヒアリングの中では、捕獲の証拠として求められる記録をデバイスと連動して残せれば、行政手続きの面でも役立つのではないかという着想も得られました。

千葉県のジビエ猟でも活用

罠の作動検知としてのAlterLock Gen3の活用は、山陰地方に限った取り組みではありません。関東でも、千葉県でジビエ猟に取り組む猟師さんにて活用が進んでいます。地域や捕獲対象となる鳥獣が違っても、見回りにまつわる悩みは共通しており、罠の状況を事前に把握したうえで現場に向かえることへの評価は、どちらの地域でも変わりませんでした。

今後の展開

今回の実証を踏まえ、AlterLockは山陰地方や千葉県以外の地域でも、わな猟や鳥獣被害対策に取り組む自治体・猟友会・事業者への導入を広げていく予定です。もともと自転車・オートバイの盗難対策として培ってきた振動検知とGPS通知の仕組みを、鳥獣被害対策の現場でも役立つ形で届けていきたいと考えています。

さらに、AlterLock Businessの仕組みと組み合わせることで、個人利用にとどまらず、ブラウザー上でダッシュボードを用いた組織単位での運用や、3台を超える大規模な検知システムの構築も可能になります。

まとめ

AlterLock Gen3を罠に取り付けることで、見回りの回数はそのままに、罠の状況を事前に把握したうえで装備や人手を整えて現場に向かえるようになり、一回一回の見回りの効率を高められます。山陰地方や千葉県での実証・活用を経て、AlterLockは今後も鳥獣被害対策の現場に寄り添った展開を進めていきます。

自分でも使ってみたい、導入をご検討されている自治体がいらっしゃいましたら是非ともinfo@alterlock.netまでお問い合わせください。お待ちしております、